
元料理人のカーリーです。
海外のレシピを見ていると「バニラエクストラクト」が登場しますよね。
バニラエクストラクトなんて見たことないけど?バニラエッセンスとの違いは?
どうやら手作りできるらしい!
ということで、今回は自家製バニラエクストラクトの作り方と使い方について、詳しく説明します。
わたしは元フレンチ料理人なので、プロ目線の情報もお届け。
お家でのお菓子作りをグレードアップさせたい方は必見です。
自家製バニラエクストラクトの作り方【レシピ】

バニラエクストラクトの作り方は簡単です。
材料は下記の通り。
【自家製バニラエクストラクトのレシピ】
- バニラのさや 5本
- ウォッカ(40度以上)600ml
※お好みで調節してみてね✨
《手順》
- 密閉できる瓶をキレイにして乾かす
- バニラのさやを割り、瓶に入れる
- 瓶にウォッカを注ぎ入れ、蓋をする
以上です。あとは、1日に1回くらい振り混ぜながら、2ヶ月くらい置きます。
気温が25℃以上になるときは冷蔵庫に入れてもいいですが、基本的には直射日光の当たらない冷暗所で保管すればオッケー🌟
バニラのさやが液体から出ないサイズの瓶を選んでください。
※ バニラの種が気になる方はさやを割らず、振らずに熟成させましょう。もしくは、使うときにサラシなどで濾してください。
アルコールはウォッカやラム酒、ブランデーなど
使用するアルコールは、ラムやブランデー、ウィスキーなどに変えても作れます。
この辺りはお好みですね。
ただ、ラムなどお酒そのものの香りが強いアルコールで作ったバニラエクストラクトだと、お菓子の風味を邪魔することがあります。
なので、癖が少ないウォッカがおすすめです。
ウォッカで作ったバニラエクストラクトはほぼバニラの香りだけなので、どんなお菓子にも使えます。
アルコール入りなので、要注意
バニラエクストラクトはアルコール入りなので、妊娠中や授乳中のママさん、小さな子供さんは気をつけてください。
加熱すればアルコールは飛びますが、完全にはなくなりません。
お酒に弱い人はバニラエクストラクトの香りだけで酔うこともあるので、自分の体質などを見極めてお付き合いしましょう。
バニラエクストラクトは冷菓向き
バニラエクストラクトはアルコールなので、揮発性があります。
加熱すると香りが飛びやすいです。
なので、バニラエクストラクトはパウンドケーキなどの焼き菓子より、ムースやアイスなどの冷菓に向いています。
バニラエッセンスも同じく揮発性があるので、冷菓に使うとよいです。
まあ、わたしは焼き菓子にも使いますけどね。
バニラエクストラクトとバニラエッセンスの違い

個人的には、バニラエクストラクトは天然物、バニラエッセンスは人工物というイメージを持っています。
日本では、バニラエクストラクトよりもバニラエッセンスの方が一般的です。
逆に、アメリカやヨーロッパなどでは、バニラエクストラクトをよく使います。
バニラエクストラクトとバニラエッセンスの違いは、下記の通りです。
- バニラエッセンスは安い
- バニラエッセンスは使用量が少ない
理由を詳しく見てみましょう。
バニラエッセンスは一般的に安い
香り成分をアルコールに抽出した「バニラエッセンス」。
1本300円前後のものが、田舎のスーパーでも簡単に手に入ります。
最近は100均にも売ってるみたいですね…
当然ながら、安さには理由があります。
安いバニラエッセンスには香料やキャラメル色素が使われており、ほぼ偽物です。
原材料がバニラビーンズだけのバニラエッセンスもありますが、死ぬほど高くて手が出ません…
庶民が買えそうな値段のものには、だいたい香料が入っています。
まあ、バニラのさやが安くても1本800円とかすることを考えれば、1本100円のバニラエッセンスなんて不自然の極みですよね。
【使用量の違い】バニラエッセンスは数滴
お菓子作りに使うとき、バニラエッセンスは数滴でいいのに対し、バニラエクストラクトは小さじ1くらい使います。
理由は「濃縮度の違い」です。
バニラエクストラクトの方が濃縮度が低く、バニラエッセンスの方が濃縮度が高いです。
どちらも【アルコールにバニラの香りを移したもの】であることには変わりません。
しかし、一般的なバニラエッセンスには香料が使われるため香りが強く、少量でしっかりと香りがつくので、一回に使うのは数滴です。
【プロも使うバニラエクストラクトの王道】
バニラエクストラクトの代わりに使える代用品

バニラエクストラクトがなくても、お菓子は作れます。
なぜなら、バニラエクストラクトの役割は、香り付けだからです。
香りがなくても、お菓子の仕上がりには大きく影響しません。
しかし、やはりバニラの香りがあることで、美味しさがグッと増します。
「ピュイゼ理論」といい、「味覚の95%は鼻で感じる」という研究もあるほどです。
ということで、バニラエクストラクトの代わりに使えるものを紹介します。
ピュイゼ理論については、下記の本をどうぞ👍
1.バニラビーンズ
バニラのさや(バニラビーンズ)は、バニラエクストラクトの原材料です。
通販でも買えますし、都会なら製菓の専門店などで買えます。
通販なら、プロもご用達「富澤商店」ですね。
クオリティ面でも価格面でも、自分に合った商品を見つけやすいですよ。
2.バニラエッセンス
バニラエクストラクトの代用品として一番手軽なのが、バニラエッセンスかなと。
バニラエクストラクトの代わりに、バニラエッセンスを2~3滴入れましょう。
前述のとおり、田舎や100均でも買えるなど、手に入りやすいのが最大のメリットです。
とはいえ、ナチュラルな製品は少ないので、添加物が気になる方には向いていません。
3.バニラオイル
バニラの香りを油に移した「バニラオイル」。
バニラエッセンスのように、数滴で十分に香りがつきます。
バニラオイルは、バニラエッセンスやバニラエクストラクトと違って、加熱しても香りが飛びにくいので、焼き菓子向きです。
もちろん、生菓子にも使えますよ。
バニラオイルの最大のメリットは、無色透明であること。(色付きの製品もあり)
クリームを白く保ったままバニラの香りをつけるなど、テクニカルな使い方もできます。
4.バニラシュガー【手作りできます】
バニラの香りがついた砂糖「バニラシュガー」。
市販品もありますが、手作りもできます。
プリンやカスタードに使ったバニラビーンズを洗って乾かし、密閉できる瓶などに砂糖と一緒に入れておくだけ。
1ヶ月くらいしたら十分に香りが移るので、使い時です。
バニラの香りがついた砂糖なので、お菓子につぶつぶが入らないのがメリット。
バニラエクストラクトのように水分量を気にせず使えるのも、簡単でいいですね。
5.バニラビーンズペースト
バニラビーンズのさやから種だけを集めたもので、増粘剤や砂糖などを加えて扱いやすくしています。
バニラのさやから種をしごき出すのが面倒だ、という人には重宝するはず。
オーガニック品も多いので、手間を省きつつ添加物を避けたい人には、バニラビーンズペーストをおすすめします。
バニラエクストラクトを手作りしておくと便利

今回は【バニラエクストラクト】について詳しく紹介しました。
バニラエッセンスは安く簡単に手に入りますが、添加物が気になります。
そんな方には、今回ご紹介した自家製バニラエクストラクトがおすすめです。
使うまでに時間がかかりますが、一度仕込んでしまえば半永久的に使えます。
いつものお菓子作りにちょっと加えるだけで、美味しさも豪華さもアップですよ。
バニラの香る焼きたてお菓子を楽しむために、今のうちに自家製バニラエクストラクトを仕込んでおきましょう。
