ミニマリストのカーリーです。
料理のアク取りって、面倒ですよね。
灰汁をとったからといって料理にどう影響しているか、ぶっちゃけ分からない…
取らなくてもいいなら面倒だから取りたくないんだけど…?
こんな風にお悩みの方は多いはず。
ということで、元フレンチ料理人のわたしがお助けします。
今回は【灰汁をなぜとるのかの理由と、アク取りのコツ】についてです。
楽してしつつ料理の味も見た目もスキルもレベルアップさせたい方は、最後まで読んでいってくださいね✨
灰汁はなぜとるのか【美味しくしたいから】
灰汁をとる理由は、料理をおいしくしたいからです。
まあ、この「おいしくしたい」にも、色々な理由があるわけですが…
ちなみに、わたしが思う究極のアク取り料理は「コンソメ」です。
とはいっても、人の手で灰汁をすくい続けるのではなく、卵白の力を借ります。
灰汁を卵白に吸着させて液体を澄ませ、肉や野菜の色と味、香りだけを残す料理です。
【灰汁をとるのはなぜ?】見た目
灰汁をなぜとるのかというと、ひとつは見た目をよくしたいという理由です。
牛肉や豚肉を煮込むと、灰色のアワアワがたくさん出ますよね。
この灰汁を放置すると、当然ながら料理の見た目が悪くなります。
家庭で食べるならまだしも、レストランでやったら一発アウトです。
なので、料理の見た目をキレイにして美味しそうに見せるために、灰汁をとります。
【灰汁をとるのはなぜ?】味
灰汁をなぜとるのかのもうひとつの理由は、味をよくしたいという理由です。
詳しくは後述しますが、灰汁はえぐみや苦味などの成分が固まったもの。
なので、灰汁をとらずに仕上げた料理には、苦味やえぐみ、雑味など「よろしくないお味」が入ったままになります。
苦味やえぐみなどは動物が危険と感じる味なので、食べて心地いいものではありません。
素材の味を引き立てて料理の味をワンランクアップさせるために、灰汁をとります。
灰汁の成分
灰汁は、料理の見た目や味を損なう「よろしくない成分」を含みます。
大きく分けると「動物性の灰汁」と「植物性の灰汁」です。
灰汁はたんぱく質やミネラル、脂質などが固まったもの
動物性の灰汁は、血液や脂質、たんぱく質やアミノ酸などを含んでいます。
一方、植物性の灰汁に含まれるのはおもに、タンニンやマグネシウムといったミネラル、ポリフェノールなどです。
たけのこやわらび、ぜんまいのような山菜がもつアクは、摂りすぎると健康を損ねる可能性があるため、念入りにとる必要があります。
まあ、山菜はそのまま食べようとしても苦味やエグみが強くて食べられないので、必然的にアク抜きすることになりますが…
なぜ灰汁が出るのか
煮込み料理や鍋料理には灰汁が出ますが、炒め物には出ませんよね。
つまり、灰汁は水溶性の成分が固まったもの、ということです。
水溶性である苦味やエグみ、渋みなどの成分が水に溶け、食材のたんぱく質や脂質と結合し、グレーっぽい泡となって出てきます。
灰汁をとる効果
料理をするときに灰汁をとるメリットとデメリットは、下記の通りです。
灰汁をとるメリット
前述のとおり、灰汁をとることで見た目や味をワンランクアップさせられるのが、アク取りのメリットです。
山菜やたけのこなどは、苦味やえぐみが取り除かれて食べやすくなります。
ごぼうやれんこんなどは酢水につけることで、アク抜きしつつ色よく仕上げる効果も。
つまり、灰汁をとるメリットは料理の味や見た目をよくしたり、食べられないものを食べられるようにしたりすることです。
また、アク取りと一緒に表面に浮かんでいる油もとれるので、カロリーオフも狙えます。
灰汁をとるデメリット
一方で、灰汁をとるデメリットもあります。
それは「旨味やいい成分を捨ててしまう」ことです。
例えば、動物性の灰汁はアミノ酸や脂質が溶け込んだものなので、灰汁をとれば旨味や香りも取り除かれます。
植物性の灰汁の場合、苦味やえぐみ、渋みとして感じるのは、ポリフェノールやタンニンなどのいわゆる「体にいい成分」です。
灰汁をとると、旨味や油に溶け込んだ香り、体にいい成分を捨てることになります。
アク取りのコツ
料理をしていると「次から次へと灰汁が出てきて手に負えねぇ」と思ったこともあるはず。
アク取りには、ちょっとしたコツがあります。
- 材料をあらかじめアク抜きする
- 強火で灰汁を固めて一気にとる
この順番で説明しますね。
アク取りのコツ1.材料をあらかじめアク抜きする
材料を湯通ししたり水につけたりすることで、あらかじめアク抜きする方法です。
こんにゃくやしらたき、わかめなどはよくやりますよね。
動物性の食材だと、ブリやサバを「霜降り」することもアク抜きのひとつです。
煮込む前に食材のアクを抜いておけば、料理中に出てくる灰汁も少なくなり、アク取りが楽になりますよ。
アク取りのコツ2.強火で灰汁を固めて一気にとる
灰汁は出てくるたびにとるのではなく、強火である程度まで固めてからとります。
ボコボコ沸かすのではなく、表面がポコポコ動くくらいで。
優しく沸かしながら待っていると灰汁がまとまってくるので、そこを狙いましょう。
ザックリいうと灰汁はたんぱく質の塊なので、湧いてきたアクが気泡や対流によって集まることで吸着し合い、大きな集団になります。
そこをお玉で掬えばオッケーです。
【注意】灰汁は沸騰させ続けると消える
とはいえ、料理を沸騰させたまま放置すると、灰汁は消えます。
出てきたアクは直後に固まるのに、そのまま沸点で放置されると溶けるんですね。
まあ、灰汁になるのは水溶性の成分なので、当然といえば当然かもしれません。
つまり、灰汁をうまくとるには料理をある程度まで沸騰させることが大切だが、沸騰させ続けると逆に取り逃してしまう、ということです。
なので、灰汁をとるときは、取りたいところまで付きっきりで作業する必要があります。
料理の目的によって灰汁をとるかどうかも変わる
今回は【なぜ灰汁をとるのか?】というお話でした。
灰汁をなぜとるかというと、見た目や味を整えて料理をおいしくするためです。
とはいえ、灰汁をとるのにもメリットとデメリットがあるので、自分がどう料理したいのかによってアク取りするかしないかを決めればいいと思います。
個人的には、家庭では灰汁をとりません。
アク取りってぶっちゃけ面倒ですし、灰汁をとらなくても十分においしいと思うので。
肉や魚はニオイが気になるので、一番はじめに出てきた大きな灰汁だけとります。
とはいえ最近は菜食なので、料理中まったくアク取りしなくて楽ちんですw
そもそも、普通の人は灰汁をとったかとらなかったかの違いなんて、分からないですよ。