こんな声に応えます。
ディクテーションは学習効果が高いので、初心者にもとり入れてほしい学習法です。
しかし、やり方にはちょっとしたコツが必要になります。自己流でやってしまうと「全然できない…」と挫折するハメになるので、要注意です。
本記事では、初心者も挫折しないディクテーションのやり方を説明します。
やり方の手順とポイントを押さえれば、あなたのリスニング力はぐぐっと伸びるはず。

- ディクテーションのやり方
- ディクテーションをやる際の注意点
- ディクテーションにおすすめの教材
学歴もキャリアも根性もお金もないわたしですが、英語を愛して20年になります。
海外好きをこじらせた結果、ひとりで海外へ8カ国以上、海外在住歴2年半です。
【英語の独学】ディクテーションのやり方【6ステップ】

ディクテーションのやり方を初心者向けに説明すると、次の手順になります。
- 教材を用意する
- 1~2回ほど音声をとおしで聞く
- 音声を止めつつ聞きとって書く
- 聞きとりの限界までくり返す
- スクリプトを確認して答え合わせ
- 間違いをフルセンテンスで修正
詳しく見ていきましょう。
1.教材を用意する
ディクテーションの教材は
- 自分のレベルと同等のもの
- スクリプトがついているもの
を選びましょう。
スクリプトをさらっと読んでみて、6割以上は理解できるものがいいですね。
あまりにも理解できないレベルの英語だと、難しすぎて挫折します。
スクリプトは答え合わせに必須なので、答えが付属している教材または、ネットで確認できる教材を選ぶ必要がありますね。
2.音声を1~2回とおしで聞く
ディクテーション本番の前に何回か音声を聞き、英語を聞く準備をします。
- どんな内容なのか
- どんな単語が出てくるか
- どれくらい聞きとれるか
に注目しつつ聞いてみましょう。
この準備運動は初心者向けなので、ディクテーションに慣れてきたら省いてもオッケー。
3.音声を止めつつ聞きとって書く
ここからがディクテーションの本番です。
基本的には次のような流れで行います。
- 音声を一文節分流す(聞く)
- 音声を止める
- (1)で聞きとった英語を書く
この作業をひとつのお題が終わるまでくり返し行い、英文を書き起こしていきます。
詳しくは後ほど説明しますが、ディクテーションのポイントは次のとおり。
- 聞きとれない箇所は空白にする
- 分からないスペルは予想して書く

スペルを予想して書く重要性
「分からないのに予想して書いても意味ないでしょ」と思うかもしれません。
しかし、スペルを予想して書くことは、英語の音とスペルを結びつける練習になるので、リスニング力の向上につながります。
たとえば「ハマースミス」という英語のスペルはどうなると思いますか?
- hamersmiss
- hummersmiss
- hammarsmith
このように予測できるかもしれません。
「ハマー」と「ハマース」どちらで区切るのか、いろいろな考え方ができますよね。

スペルを予想することで、音とスペルを意図的に一致させる練習ができます。音とスペルを一致させることは「音を可視化」することです。

たとえ予想が間違っていたとしても、あとから答え合わせをするので問題ありません。大切なのは、音からスペルを予想し、音とスペルを頭の中で組み合わせていくこと。
目と耳で確かめるという経験を増やし、聞きとれる英語の音を増やしていくことです。
4.聞きとりの限界までくり返す
以上の手順を「もうこれ以上聞きとれない」というところまでくり返します。
空白はできるだけなくし、自信がなくてもできるだけ予想してスペルを書きましょう。

5.スクリプトを確認して答え合わせ
スクリプトを確認し
- 正しく聞きとれているか
- スペルは正しく書けているか
をチェックします。
見やすように赤ペンなどで修正していくと、次の作業がしやすくなりますね。
6.間違いをフルセンテンスで修正
赤ペンで修正したら、間違ったところをフルセンテンスで書き直します。ただ赤ペンで修正しただけだと、頭の中で正しい文章としてストックできません。
赤ペンで修正したうえで正しい文章をフルセンテンスで書くことにより、文法的な正しさを確認し、ひとつのフレーズとして覚えられるようになります。

【英語の独学】ディクテーションのやり方:3つの注意点

ディクテーションの効果を得るために守るべきポイントは、次の3つです。
- 区切る文節は細かすぎない
- 一度で完ぺきを目指さない
- 穴埋めは使わない
詳しく見ていきましょう。
1.区切る文節は細かすぎない
音声を止めるタイミングのことですね。音声を区切るタイミングは、短すぎても長すぎてもうまくいきません。
ベストなタイミングは「スラッシュリーディング」を参考にするとよいです。
スラッシュリーディングとは
- 関係代名詞(who、that)
- 接続詞(and、because)
- 前置詞(after、before、during)
など、意味が途切れるところで文を区切るテクニック。

頭の中で長文にスラッシュを入れるクセをつけておくと、日本語の語順に並べ替える必要がなく、英語の語順で意味を理解できるようになりますよ。
2.一度で完ぺきを目指さない
ディクテーションは音声を一度聞いただけですべてを聞きとる必要はありません。
何度もくり返し同じ音声を聞き、回数を重ねるごとに聞きとれる音を少しずつ増やしていきましょう。

教材のレベルにもよりますが、目安としては5~15回くらいですね。
分からないスペルを予想して書き、空欄をすべて埋めたうえで「もうこれが自分の限界」というところまでくり返し聞きましょう。
3.穴埋めは使わない
穴埋め式で行うディクテーションの教材はおすすめしません。
穴埋めだと、自分が聞きとれる音と聞きとれない音を把握できませんし、間違ったリスニングのクセがつく危険性があります。
普通の会話というのは一字一句に注目するのではなく、話の全体像をイメージしながら聞くものですよね。
穴埋めだと「穴が空いているそこだけ」に意識が向くクセがついてしまい
- 話を大筋で理解したり
- 聞きとれなかった単語を予測したり
- 知らない単語の意味を予想したり
という「会話に欠かせない力」が育たないので、会話についていけなくなります。

【初心者向け】ディクテーションにおすすめの教材

英語学習の初心者におすすめのディクテーション向けの教材は3つあります。
- エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
- ENGLISH JOURNAL
- 海外ドラマ(シットコム)
サクッと見ていきましょう。
1.エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
NHK出版によるリスニング&リーディング用の教材。
- 1回5分
- 1話あたり500語以内
という超初心者向けの内容なので、英語学習をはじめたばかりの人にもおすすめ。
実は、わたしもエンジョイ・シンプル・イングリッシュで英語学習デビューしました。
日本の民話とか歴史とか、海外でよく聞かれることについても学べるので、海外移住の前に触れておいてよかったなと思いますね。
2.ENGLISH JOURNAL
英語学習の専門誌「ENGLISH JOURNAL」もおすすめ。
スクリプトは、雑誌とアプリ両方で確認できます。
音声再生のアプリは
- 再生速度の調節
- 早送りや巻き戻し
- 15秒スキップ
などの機能が使えて、ディクテーションにもぴったりです。

3.海外ドラマ(シットコム)
英語字幕を使えば、海外ドラマもディクテーションに使えます。
海外ドラマは日常英会話の宝庫なので、英語学習にぴったり。
おすすめ作品は「【海外ドラマ】英語をシットコムで学ぶべき理由とおすすめ作品【5選】」という記事にまとめたので、参考にしてみてくださいね。
【英語学習】ディクテーションのやり方:6ステップで効果あり

今回は「ディクテーション」のやり方について詳しく説明しました。
もう一度確認すると、ディクテーションは次の手順のとおりに行います。
- 教材を用意する
- 1~2回ほど音声をとおしで聞く
- 音声を止めつつ聞きとって書く
- 聞きとりの限界までくり返す
- スクリプトを確認して答え合わせ
- 間違った箇所をフルセンテンスで修正
以上の手順でポイントを押さえつつディクテーションを行うと、実際の会話で通用するリスニング力がしっかり鍛えられます。
ディクテーションはポイントを守れば初心者でもきちんと効果を感じられ、英語力がグッと伸びる学習法なので、ぜひコツをつかんでくださいね。