ロンドンに住みつつライターをしているcarlyです。
- 海外生活ってオシャレっぽい
- なんとなく憧れる、カッコいい
- 日本より生きやすそう
など、海外に住んでみたいと思う人は多いですよね。
わたしは小さい頃からヨーロッパに夢中で、海外に住むことがひとつの目標でした。
なので、その気持ちがよく分かります。
しかし、そこで気になるのが「ぶっちゃけ、海外生活ってどう?」ってこと。
聞きたいことがありすぎて逆にざっくりしてしまいますが、今回は
- 日本との違い
- 住みやすさ
- これからも海外に住み続けたい?
- 帰国後はどうする?
- 海外に住むメリットやデメリット
- 日本人は海外に出るべきか
という点にしぼって、海外生活をしてみて感じたわたし個人の意見をシェアします。
これはその人の生まれ育った環境や価値観などによって変わるので、わたしの意見がすべてではありません。
それでも、わたしは海外に出る価値はあると思っているので、海外に住みたい人やすでに住んでいる人がなにかを感じてくれればうれしいです。
それでは、ぜひ最後までお付き合いください。
①「海外に住みたい=定住したい」なのか

ワーホリ半年間を終えて気付きつつあるのが、自分が海外に「住みたい」人間ではなかったということです。
たしかに、わたしは小さい頃から海外に住みたいと思っていたのですが、それは「定住したい」という意味ではなかったのかもしれません。
実際にイギリスに住みながら旅行をして
- 飛行機に乗ったり
- 知らない場所に行ったり
- ショボい言語力をフル活用したり
- 日本とは違う風景を見たり
することにものすごく刺激を感じ、生きているという実感が湧いてきます。
つまり、自分は海外に住むのではなく、旅行で満足できるタイプの人間なのではないかと。
実際に今ロンドンに住んでいても、毎日
- 同じように仕事をして
- 同じ家に住んで
- 同じ人と関わって
暮らしています。
つまり、日本となんら変わらないんです。
もちろん、目にする人の大半はアジア人ではないですし、街に出ればすべて外国語。
話すのは現地の言葉ですし、日本語を耳にする機会はほとんどありません。
そういった意味では明らかに日本とは違いますが、仕事や生活といった本質的なところをみれば日本でも海外でもまったく同じです。
毎日同じ家や職場で同じ人と過ごし、当たり前に同じような毎日が過ぎていく。
新しい発見や驚くこともたくさんありますが、日本に住んでいたときと同じマンネリを感じつつあります。
それは
- 住む
- 生活する
という本質が変わらない限り、海外だろうが日本だろうが同じです。
なので、わたしは海外にずっと住みたいと思って生き続けてきたけれど、本当のところはちょこちょこ海外旅行することでマンネリしない生活を求めているだけなのかも。
これは海外に住んでみないと気づけなかったことですね。
とはいえ、今ロンドンに住んでいる時間がムダなのかといえばそうではありません。
行動してなにかしら「答え」を見つけることに意味があると思うので。
②「当たり前」は恵まれている証拠

- 日本語が読み書きできる
- テレビも映画も当たり前に日本語
- すぐに病院にかかれる
- 友達や家族がいる
- 仕事ができる
- 知らないことはほとんどない
日本人として生まれ、30年近くも日本人として教育を受けてきたのであれば、よっぽどのことがない限り日本での日常生活で困ることはほとんどありません。
上に挙げたような「当たり前」のことって、当たり前すぎてなにも感じすらしませんよね。
むしろ、つまらないとか刺激がないとか、マイナスに捉えられがちです。
しかし、海外に住んでみて
- 日本とはルールが違う
- 人々の行動や反応が違う
- 言葉が思うように通じない
- 仕事を見つけるのも大変
- ひとりぼっち
- マナーを最初から知っていく
など、今まで日本で当たり前にできていたことが急にできなくなる。
そんな経験をしたからこそ、何気ないものや当たり前であることの大切さに気づきました。
当たり前に病院に通えることも、当たり前に友だちや家族にグチれることも。
ここにはコレがあるだろう、という当たり前だと思っていることが通用しない。
当たり前のことは当たり前なのではなく、自分がしっかり教育を受けて社会に属していたという、恵まれていた証拠なんですよね。
海外に移住したことで当たり前のことが身の回りからすべて消え、そのありがたみが身に沁みて分かります。
そもそも、欲求のままに海外へ移住して人生を楽しむなんて、贅沢すぎる選択肢です。
ロンドンには、母国では暮らしていけないから出稼ぎにきている人だってたくさんいる。
自分では当たり前だと思っていたことが、色々な形で「当たり前」ではないということに気付かされます。
③自分は「日本人」である

これは出生とか血筋とかの問題ではありません。
少なくともわたしは日本の教育で日本人として生まれ育ち、日本の社会に順応しようと生きてきた人間です。
そんな根っからの「日本人」が海外にポッと出ただけでは、なにも変わりません。
そう。
海外に出たらなにか変わるだろう~、なんてあり得ないんです。
「出た」だけではなにも変わらない。
自分が日本人として生まれ育っている限り、どこへ行こうが日本人というフィルターを通して物事を見ることになるのです。
良いとか悪いとかではなく、
- 日本は電車やバスが時間どおり
- 日本はコンビニは24時間
- 日本は夜中に女性が一人で出歩ける
- 日本はワンコインで寿司が食べられる
などなど、こういったことは日本人だからこそ感じることなんですよね。
わたしが日本にはこんなに良いところがある!と思っていても、
- 日本語がしゃべれなかったり
- 日本で暮らしたことがなかったり
- そもそもそんなもの要らんと思っていたり
- もっといいモノを知っていたり
する人にとっては、それは未知で恐怖でナゾなもの。
海外と日本の違いに気づくたびに、自分が「日本人」だということを実感させられます。
わたしがロンドンに住んで「いい」と感じることも「悪い」と感じることも、自分が日本人であるというフィルターを通して感じたこと。
自分が日本で生まれ育っている限り、このフィルターを取り除くことはできません。
どうしたって、日本と比べて劣悪をつけてしまう。
海外と日本の違いを「いい」か「悪い」かだけで判断するのはムリです。
どっちにも良いところと悪いところがあるし、両方が一度に存在するなんてあり得ない。
これは日本とイギリス(海外)に限らず、自分が本当に必要なものだけを選び取って生きていけるのが理想ですよね。
④海外は日本よりも優れているのか?

ちまたではよく
- 日本は働きすぎ
- 海外は医療が無料でいいな
- ゆりかごから墓場までって最高
- 日本は息苦しい
などと言われていますよね。
でも、このような上辺だけの良いところだけを比べて「日本は悪い」とか「海外はいい」とかいうのは間違っています。
確かに、わたしは日本人として30年近く生きてきた身として日本がイヤだなと思うこともありますが、それはどこの国に生まれ育ったとしても同じです。
たとえば、自分が生粋のデンマーク人だったら、税金が安い日本がうらやましいなと思うのかもしれない。
一杯300円の牛丼でお腹いっぱいになるほど、外食がおどろくほど安くウマい日本に住みたいと思うかもしれませんね。
タイ人だったら、働くのが大変でも家族を食わしていける以上に稼げる日本での仕事を求めるかもしれない。
よく「海外はいい」と言われがちですが、良いところもあるし悪いところもあります。
それは日本とまったく一緒です。
- 海外の良いところしか見ようとしない
- 日本の悪いところしか見ようとしない
のではもったいないし、それは正しい判断とは言えません。
ただ、わたしが実際に住んでみて「ロンドンいいなぁ」と思うのは
- ベタベタし過ぎないフレンドリーさ
- サービス業にゆとりと人間味がある
- カベはないがほどよい距離感があるオープンさ
といったところでしょうか。
とくにわたしはサービス業で疲弊した過去があるので、ロンドンの接客はとても好きですね。
人間なんだから失敗もするし、水だってコーヒーだって飲むじゃない。
トイレに行きたければ、そりゃ窓口が無人になるでしょ。
機械が壊れたのなら行列ができたって仕方がない。
日本人からしたら効率が悪いとかやる気がないとか思うのでしょうけれど、これこそ人間味というやつ。
たまに明らかめんどくさがりのヤツとかいますけど。
わたしはお客の目を見ずにセリフ棒読みで機械みたいに仕事をやっつけている日本の店員さんより、ロンドンの人間味のある接客の方がずっと好きですね~。
働く側としてもそこまで消耗せずに、最低限の人間らしさを保ちながら仕事できそう。
⑤日本人は海外へ出るべきなのか?

わたし的には、かすかにでも海外へ行きたいという考えがあるのであれば、さっさと海外へ行くべきだと思っています。
とはいえ、すべての日本人が海外へ行く必要があるか?というと、それはNOです。
海外へはお金とパスポートさえあれば簡単に行けますが、その人が受けとる体制じゃなければ「行った」だけで終わります。
今はテクノロジーのおかげで、外国語や現地人にほとんど触れることなく現地で生きていけます。
なので意識していないと、脳内は完全に日本でカラダだけ違う国に来てしまった、という状態でずっと生活することに。
それだと、せっかく海外に来ても受け取れる情報が限られてしまうので、なにも変わりませんしなんの気付きも得られません。
「開眼」しなけりゃ意味がないんですよね。
だから、
- 別に海外なんて興味ない
- 海外は怖いから行こうとは思わない
という人を無理やり海外へ出させるのは、ちょっと違うかなと。
そういう人は日本だけで満足できているから、海外のことを知らなくても不幸ではないんですよね。
嫌いなパクチーを食べなくたって生きていけるし、身の回りにもっとおいしいものが沢山あるんだからそれでいいんじゃないかな。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1carly.jpg” name=”carly”]わたしはパクチー大好きだけど。[/speech_bubble]でも逆に、ちょっとでも海外に興味がある人は早く行くべきだと思います。
実際にわたしは海外に出てはじめて気づいたこと、体験したことがたくさんあるからです。
更にいえば、単なる旅行と長期滞在では、考えることや気づくポイントがまったく違います。
こういった経験を通して得たことを自分の中で噛み砕いて、自分だけの価値観をつくりあげて行動する。
ここに海外に出ることの意味があるのではないでしょうか。
予想していなかった海外生活での気づき

わたしは小さい頃から海外で暮らしたい!と思っていて、自力で生計を立てながら海外で暮らすのは今がはじめてです。
すでに6ヶ月が経ちましたが、意外にも
- 自分は思ったよりも日本ラブ
- 海外に住みたいわけじゃなかったのかも
- 「定住」に違和感
- 英語ペラペラになるのが目的ではない
ということに気づきました。
海外に住むのが目的になっていてはいけないなぁ、と自分を戒めてワーホリをはじめましたが、今めちゃくちゃ住むことが目的になっているなと反省。
イギリスに住むことでしかできない何かをしたり、なにかを得たりしたいです。
正直なところ、あと1.5年ほどワーホリ期間が残っていますが、すでに気持ちは帰国後に向いています。
今のイギリス生活を最大に有効活用しなきゃ!という思いと、帰国後の生活をイメージしながら活動しなきゃという思いがごちゃごちゃ…
ワーホリが終わっても人生は続くので、今のことだけを考えるわけにはいかんのです。
でも、今回紹介したようなことに気づけて、ワーホリに来た意味があったなと感じています。
このタイミングで海外に住まなかったら、ずっと幻の理想やあこがれを抱いたまま時間だけを浪費していたでしょう。
別に、海外に住んでみて
- 海外は合わないな
- 日本はやっぱりいい
- この国は違うな
という感想でもいいんです。
海外へ住んだとしても、必ずしも英語がペラペラになる必要はない。
分野によっては、英語よりも日本語での情報収集の方が早く量が多いこともありますしね。
大切なのは、なにかを感じて考えて、自分に合う生き方を選択すること。
パスポートがあればほとんど自由にどこへでも行ける日本人ですから、夏だけヨーロッパで冬は日本や東南アジアで暮らす、みたいなのいいですよね。
わたしが半年間ワーホリでイギリスに住んでみて感じたこと。
きちんと伝わったかちょっと不安ですが、正直なところを言語化してみました。
海外暮らしのなんたるかを、イメージしてもらえたらうれしいです。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1carly.jpg” name=”carly”] こちらの記事もぜひ![/speech_bubble]