ロンドンでフリーライターとして生計を立てているcarlyです。
先日、わたしが初めて海外で長期滞在をした場所である、フランスのリヨンに里帰りしました。
かつて通っていた学校へ顔を出し、恩師にライターとして暮らしていることを報告。
そこでハッと気づきました。
自分では当たり前だと思っていたけれど、ライターというものをまったく知らない人にとっては
- ライターってどんな仕事するの?
- ジャーナリスト?
- 人に会って取材するんでしょ?
- 仕事ってどうやって取ってるの?
- 日本語?英語?フランス語?
- イギリスの企業で働いているの?
などなど疑問ばかりなんです。
ということで今回は、わたしが現在やっている「ライター」という職業について詳しく紹介します。
先に言っておきますが、わたしがやっている仕事は「ライター」という職業のごくごく一部に過ぎません。
あくまでも今回は話はわたし個人のケースであり、すべてのライターさんが同じようにやっているわけではない、ということを覚えておいてくださいね。
ライターという仕事や、こういう働き方があるんだということを知ってもらうきっかけになればうれしいです。
疑問① ライターってどんな仕事?

色々な職業について詳しく解説している「キャリア ガーデン」さんから引用させていただくと、
ライターとは、取材や資料の収集をして、雑誌、書籍、Web、フリーペーパーなどに掲載される記事を書く仕事です。
引用:ライターの仕事内容 より一部抜粋
とのことです。
わたしはライターという職業の中でもWebに掲載する文章を専門に書く人で「ウェブライター」に分類されます。
更に言えば、わたしは会社に属していないフリーランスでもあるため、フリーランスのライターということで「フリーライター」と名乗ることも。
また、そこから派生してある分野に特化したライターのことを
- 取材ライター
- シナリオライター
- フードライター
- コピーライター
- ルポライター
と呼ぶこともありますね。
あるジャンルに特化することは「強み」なので専門性が高い記事を書けますし、そのライターの得意分野がすぐに分かるので仕事をゲットしやすくなります。
新聞記者もライターですし、わたしのようにWeb用の文章を書く人もライターです。
基本的には紙でもWebでも、人に読ませる文章を書く人のことをライターといいます。
疑問② 人に会って取材して記事を書くの?

これは場合や人によりますが、基本的には「イエス」です。
人に会って聞いた話を文章にまとめたものをインタビュー記事といい、取材して文章を書くことを専門にしている人も。
取材をして文章を書く場合、記事にその人ならではの経験や知識を盛り込めるのでオリジナル性が高くなります。
事前準備もさることながら、話を広げたり読者が求めている情報を引き出したりするなど、コミュニケーション能力や取材力がないと難しい。
取材させてもらった人の伝えたいことが、読み手に正しく伝わるように書かなければいけませんからね。
ちなみに、わたしは
- タイミングが合わなかった
- 取材に興味がなかった
- 人と話すのが下手(だと思っていた)
といった理由から、約1年のライター経歴の中で取材をしたことはありません。
しかし、今は取材という仕事に興味が出てきており、いずれは「元料理人」にフォーカスした取材プロジェクトかメディアをやりたいと思っています。
飲食の人だけに限らず、なにかを辞めて新しいことをはじめた人などですね。
日本ではなにかを辞めることが悪いこととして捉えられがちですが、そうではないことを伝えたいなと。
まとめると「ライターという仕事には取材も含まれますが、わたしはしません。」というのが答えです。
疑問③ ライターとジャーナリストの違い

わたしはロンドンでシェアハウスに住んでいるのですが、先日新しい住人がやってきたとき大家さんに「carlyはジャーナリストだよ」と紹介される始末…
(ライターって言ったやん!)
ってことで、ライターとジャーナリストの違いをまたまた「キャリア ガーデン」さんのページから拝借しました。
ジャーナリストというのは、さまざまな分野のトピックス、時事問題について個人としての見解や主張を持ち、文筆によって評論、解説などを仕事とする人をいいます。
したがって大学を出てすぐにジャーナリストになれるわけではありません。
ジャーナリストになるためには、ジャーナリズムの世界に身をおくことが重要になります。
ジャーナリズムの世界は、周知のとおり、報道機関のことであり、新聞、テレビ、雑誌などがこの範疇に入ります。
また、出版、広告会社等もジャーナリズムの世界に入れられることが多いようです。
引用:ジャーナリストになるには より一部抜粋
ライターは文章を書く専門家のこと。
ジャーナリストは専門の分野において解説や報道、評論をする人のことです。
ただ、報道となると新聞や雑誌などの記事を書く仕事も含まれるので、ジャーナリストにはライター的な一面があると考えてよいでしょう。
ライターに関しても、得意な分野について評価や解説をするのであれば、ジャーナリスト的な側面があるといえますね。
現在、日本で最も知られているジャーナリストといえば「池上彰さん」ではないでしょうか。
歴史や政治、時事問題などのとっつきにくい話題を子供にも分かりやすく解説しているところは、情報を伝える人間として見習わなければ!と思っています。
疑問④ 仕事はどうやって取るの?

わたしは現在ロンドンに住んでいますが、イギリスの企業で働いているわけではありません。
日本のクライアントさんから仕事をもらっているリモートワーカーです。
さらに日本やイギリス問わずどこの会社にも属していないので、いわゆるフリーランスというものに分類されます。
で、その日本のクライアントさんをどうやって獲得したか、という話ですよね。
わたしは「クラウドソーシング」というものを使って仕事を取っています。
クラウドソーシングとは、ネット上で
- 仕事をお願いしたい人(発注側)
- 仕事を請け負いたい人(受注側)
をマッチングさせるサービスのことです。
わたしが主に使っているクラウドソーシングは
なのですが、ほかにも様々なサービスがあります。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1carly.jpg” name=”carly”] 詳しく知りたい人はぜひコチラの記事を![/speech_bubble]このようにクラウドソーシングを使って仕事を取るほか、ブログやTwitterなどのSNSから仕事の相談がくることも。
しかし、基本的にはクラウドソーシングで出会った複数のクライアントさんから継続して仕事をもらっている状態です。
なので、毎月の報酬は複数のクライアントさんから受け取り、その合計が月収になります。
疑問⑤ 記事は自分から売り込むの?

これは基本的には「ノー」です。
もちろん、自分から記事を売り込む(営業)という方法もありますが、リスクが大きいですね。
極端にいえば、売り込み先が記事を持ってトンズラする可能性があるということです。
いい記事・悪い記事に関わらず、自分がかけた労力をまるごと持ち去られるリスクが高いので、基本的には契約をして作業にとりかかります。
このようなトラブルが起こらないように、クラウドソーシングという仲介サービスが存在するんですね。
クラウドソーシング上では契約をした後、クライアントさんが「仮払い」といって一時的に報酬を預ける仕組みがあります。
仮払いをした後に記事を書きはじめ、納品が完了したら正式に報酬を支払ってもらうという仕組みです。
このシステムを使えば、納品したのに報酬をもらえなかった!という泣き寝入りを避けられます。
とはいえ、営業という名の売り込みをまったくしていないというわけでもなく。
多くのライターさんがそうであるように、TwitterなどのSNSやブログなどで発信することが「売り込み」になっています。
わたしはあまり多くありませんが、ブログ経由でお仕事が決まったり取材をしてもらったりするケースも多いですね。
疑問⑥ どんな内容の記事を書くの?

わたしは元料理人ということもあってフードライター?と聞かれるのですが、それだけではありませんし、フードライターだけをやるつもりはありません。
確かに現在は飲食に関するお仕事がいくつかあるのでフードライターと名乗ることもできますが、それは自分の仕事の中のごく一部。
それだけでは食べていけませんし、今はほかのジャンルからの収入の方が多いです。
もちろん、時と場合によってはフードライターと名乗った方がいいときもあると思いますが。
どんな記事を書くのかは、本当に人それぞれですね。
王道としては、ライターとして活動をはじめた頃にもらった仕事でどんどん知識をつけた結果、ある特定の分野にめちゃくちゃ詳しくなります。
得意分野とは「強み」なのでライティングの専門性と速度が上がり、多くの報酬を得やすくなりますし、クライアントさんから直接依頼をもらうことも。
わたしの場合は
- プロテイン(筋トレサプリ)
- 糖質制限(ダイエット)
- 婚活(マッチングサイトやアプリ)
などが「得意ジャンル」で、これらは継続してクライアントさんから依頼をもらっています。
なので、わたしの場合どんな記事を書いているの?と聞かれたら、ダイエットとか婚活について書いてるよと答えるのが正解でしょうか。
人の悩みというのはお金になる、ということです。
疑問⑦ 新聞?雑誌?

ライターと言うと「記者」という言葉を連想する人も多く、どんな雑誌や新聞で書いているの?と聞かれることも多いです。
確かに、新聞や雑誌の記事を書いている人もライターですが、わたしはウェブサイトに載せる記事を専門に書いています。
いわゆるウェブライターというやつですね。
すると、どんなウェブサイト?とさらなる突っ込みをしてくる人もいます。
中には「NAVER まとめ みたいな?」という人も。
まあ、わたしはまとめ系の仕事はしていないのですが、ウェブライターという仕事をイメージする分には十分かと思います。
なかなか分かりやすく伝えるのが大変なのですが、本当に色々なウェブサイトのために記事を書いているんですよね…
基本的には、仕事は1記事ごとの契約だと考えてもらって大丈夫です。
すると、1つの案件ごとにひとつまたは複数のウェブサイトがあるので、
- 同じジャンルの違う記事が異なる複数のウェブサイトに載る
- 同じジャンルの記事が1つのサイトにひたすら載る
- 違うジャンルの記事が1つのサイトにひたすら載る
などいくつかのケースがあります。
同じダイエットというテーマであっても、クライアントさんが変われば掲載されるサイトも変わるので、違うテイストで書いたり文の見た目を変えたりしますね。
ウェブ用の文章は新聞や雑誌と違って、ちょっと凝ったテクニックが必要です。
というのも、雑誌や新聞の場合は読み手が「読むぞ!」と情報を求めにやってきているのに対し、ウェブではほとんどが流し読みされます。
なので、
- 難しい言葉を使わずにとにかく分かりやすく
- 漢字やひらがなのバランス
- 改行を多めに入れる
など、読み手にストレスを与えないような文章を意識。
ウェブライターのわたしが新聞や雑誌で文章を書くとなったら、また違ったスキルが必要になるんでしょうね。
疑問⑧ 出勤とか休みってどうなってるの?

わたしは企業に勤めているわけではないので、会社によって決められた出勤や休日がありません。
なので、基本的には自分で好きなときに好きなように休みを設定します。
極端にいえば、週休5日にすることもできますし365日ぶっ通しで働くことも。
クライアントさんとの都合があるので簡単ではありませんが、1ヶ月働いて1ヶ月丸々休むということもできるので、会社員よりは長期休暇が取りやすいです。
これがフリーランスの特権でもあり、うっかり働きすぎないように注意しなければならない点でもありますね。
わたしの場合、休みは不定期ですが
- 週休2~3日は必ず
- 土日はだいたい働く
- 1~2ヶ月に1回は旅行
という感じで、マイペースに仕事をしています。
そして、気になるわたしの職場は「家」です。
いわゆる在宅ワーカーというやつで、出勤時間と帰宅時間にくわえて交通費がゼロ。
たまに街のカフェに行って作業することもありますが、なかなか心地良いカフェを探すのが大変で、結局は家に落ち着くことが多いです。
疑問⑨ ぶっちゃけ給料ってどのくらい?

ライターの給料はピンからキリまで本当に幅広いです。
先ほど紹介したクラウドソーシングの登場によってライターになるハードルがかなり下がったこともあり、買い叩かれるライターも少なくありません。
1記事あたりの報酬が少ないと、時間をかけて量をこなさないと生活していけるだけの収入を得られないので、精神がめちゃくちゃ削られる。
わたしもはじめは大変な思いもしましたが、今ではライター業のみでひとり暮らしができるくらいの収入を得ています。
興味がある人はこちらの記事に詳しく書いたので、ぜひチェックしてみてください。
疑問⑩ なぜ料理人からライターになったの?

わたしが元料理人ということもあり、飲食業界の人からはこの質問をされることが多いです。
中には気を使って(察してくれて?)聞かずにいてくれる人もいるのですが。
わたしが料理人を辞めたのは
- 料理人という職業が合わなかった
- 料理以外にやりたいことがある
というのが大きな理由です。
料理人をやっていたのでは、自分が本当にやりたいことを実現できない。
なりたい自分像になるにはどうしたらいい?
そう思ったときにフリーライターという道を選択しました。
詳しくは以下の記事を読んでみてください。
疑問⑪ もう料理の仕事はしないの?

これも飲食業界にいる人や、料理人の友だちによく聞かれる質問です。
未来を先読みすることができないように、正直なところわたしにもよく分かりませんw
ただ、これだけは誓っていえますが、日本の飲食店にスタッフとして就職することは一生ありません。
決して料理やお菓子作りがキライなわけではないんです。
手を使ってなにかを作るのは好きなので、自分のペースでストレスなくできる方法で「料理」ができたらいいなと。
あくまでも生きる手段の1つとして「料理」を活かすというのはアリですね。
今は将来的にライターをしながらできる料理の仕事をつくって「複業」することを考えています。
疑問⑫ なぜ料理人を辞めたの?

わたしが料理人を辞めると考えはじめたキッカケは、体調不良です。
東京のレストランで働いていたときに不眠症のようなものになり、病院送りになったのが最初のきっかけ。
このときからずっと「働く」ことに疑問や違和感を持っていたものの、なにか行動に移すことはできませんでした。
体を壊しても、このときにほかの職業に就くという考えはなかったんですよね。
学歴も資格もスキルもなにもない自分が、飲食以外で生きていけるわけがないと思っていましたから。
それからしばらくしてギックリ腰になりました。
この職場ではパワハラがものすごかったこともあり、このタイミングでもう絶対に飲食では働かないと決心。
辞める!と心に誓って半年ほど経ったころ、ようやく飲食業から脱出しました。
今、飲食業を辞めて1年が経ちましたが、未だに料理人時代を思い出すと心がギュッと痛みます。
何はともあれ、わたしは飲食業を辞めたことを後悔していませんし、むしろライターになってよかったです。
料理以外にも生きていける世界があると知れたことは財産ですし、人生や将来に絶望することもなくなりました。
料理を辞めてライターになったことを報告しても、以前と変わらず温かく迎えてくれる恩師や仲間がいる。
自分は不幸なんかじゃないということに気づけました。
世界には自分が知らないことがたくさんある

今回はライターという職業のことをよく知らない人のために、
- わたしがやっているライターの仕事について
- 元料理人とライターの関係
などについて詳しく解説しました。
わたしは、自分が料理人を辞めてライターをしていることはどうでもよくて、世の中にはいろいろな生き方があるんだということを知ってもらいたい。
自分の思い込みで自分の生き方を限定してしまい、苦しんだ経験があるからです。
気づかないだけ、知らないだけで、世の中には生きる方法が腐るほどあります。
辞めることは悪いことではないし、辞めたからといって人生が終わるわけでもない。
きちんと自分で自分の生きる道を選択できる人が増えてほしいなと思います。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1carly.jpg” name=”carly”] コチラの記事もぜひ![/speech_bubble]