こんな声に応えます。
誤解のないようにしたいのですが、音読には効果があります。
重要なのは「なにに」効果がないのかという点ですね。
音読にはリーディングを鍛える効果はないですが、発音やスピーキングの強化には効果があります。

しかし、その勘違いを抱えたまま音読をしても、英語力アップに効果はないです。
本記事を読んで誤解をなくし、意味のない時間の垂れ流しに別れを告げましょう。
- 音読はリーディングの強化に効果なし
- リーディングを鍛えるなら「黙読」
- 音読で発音をよくする方法
学歴もキャリアも根性もお金もないわたしですが、英語を愛して20年になります。
海外好きをこじらせた結果、ひとりで海外へ8カ国以上、海外在住歴2年半です。
【英語】音読はリーディング力の強化には効果なし

効果ないとは言い切りませんが、かなり難易度が高めです。
とくに初心者にとっては、ほとんど効果なしといっても過言ではありません。
音読はリーディング力ではなく、ほかの能力を鍛えるのに向いています。
【理由】英文を読むのに集中してしまい、理解にまで頭がまわらない
音読をするとき、次のことが起こります。
- 目で文字を認識する
- 認識した文字を音に変換する
- 変換した音を声に出して読む
スペルを読み、なれない口の動きで英語を発音するのはかなりの重労働ですよね。
スラスラと読もうとすればするほど、理解しようとする意識は薄れていきます。
日本語でも同じことが起こるので、試してみてもいいかもしれませんね。
日本語であれば多少は意味の理解もできますが、よほど意識をしていなければほとんどの意識は「読む」ことだけに注がれます。

なので、音読はリーディングを強化するには向いていません。
リーディング力とは
リーディング力とは、次の3つの能力で成り立っています。
- 文字を認識する力
- 認識した文字を音に変える力
- 意味を理解する力

音読では、
- 文字を認識する力
- 認識した文字を音に変える力
が発揮され、脳が信号を出して口から音を出すという動きが連続で行われます。
発音に意識をとられてしまうので、意味の理解にまで意識が及ばないということです。
リーディング力を高めるなら黙読
黙読とは、声に出さずに頭の中で文章を読むこと。小学生のときに授業でよくやらされましたよね。
黙読なら文字を読むことだけに集中できるので、内容も理解しやすくなります。
本を読むのに音読する人がいないように、
- 音読するときの脳の働き
- 黙読するときの脳の働き
は違っているということ。

【英語】音読はスピーキングを鍛えるのに効果あり

リーディング力の向上に効果はない音読は、スピーキングを鍛えるのに効果があります。
英語の発音に必要な筋肉がつく
文章を追って発音するのをくり返せば、
- 口の動かし方
- 舌の使い方
- 喉の使い方
をからだで覚えることができます。
英語や日本語に限らず、言葉を話すには筋肉が必要。
音読のくり返しで口周りの筋肉が鍛えられ、そのほかの学習法によって英語で考える力がつけば、流暢な英語が話せるようになるんです。
英語による思考力を鍛える学習法
英語による思考力を身につけるには、次の学習法がおすすめです。
- 英語日記
- セルフトーキング(ひとりごと)
いずれも「言いたいことを英語で考える」という思考の部分が共通しています。
違うのはアウトプットの方法です。
アウトプットの方法 | |
英語日記 | 書く(ライティング) |
セルフトーキング | 話す(スピーキング) |
アウトプットの方法は違えど、どちらも英語による思考力を鍛えられる学習法です。
両方の学習法をうまく活用すれば、効率よく英語力を鍛えられますね。
イメージ化トレーニングも併せて行う
イメージ化トレーニングとは、英語を日本語に訳さないクセをつける訓練のこと。
- 聞いた英語を日本語に訳す
- 日本語で考えて英語に訳す
というクセは日本人あるあるですが、話すにも理解するにも時間がかかりすぎます。

英語日記やセルフトーキングで身につけたい「英語による思考力」とは、まさに英語を日本語に訳さないクセのことですよね。
イメージ化トレーニングを継続して行えば、ネイティブと同じ感覚で英語を操れるようになります。
【英語の独学】音読で発音を鍛える方法

音読で発音を鍛えるには、ただ声に出して読むだけでは不十分です。
音読する声を録音して聞き、くり返しブラッシュアップするという作業を行いましょう。

レコーディング式発音トレーニングについては「本当は教えたくない【英語の発音を独学する究極の方法】中学生でもできます」という記事をぜひ読んでみてください。
オーディオブックがおすすめ
音読にはただの本ではなく、オーディオブックがおすすめです。オーディオブックとは、文字で書かれたいつもの本に音声がついている本のこと。
オーディオブックは1冊で
- 音読
- 発音チェック
- オーバーラッピング
- シャドーイング
という4つの学習に使えるため、かなりオイシイ教材なんです。
各学習法でどんな英語力が鍛えられるのかを次の表にまとめてみました。
学習の効果 | |
音読 | 発音 |
発音チェック | 発音、スピーキングの筋肉 |
オーバーラッピング | リスニング、スピーキングの筋肉、流暢さ、リーディング |
シャドーイング | リスニング、スピーキングの筋肉、流暢さ |

発音の知識を身につける
英語の発音方法を知識として身につけることも大切です。
日本語にはない英語独特の口の動かし方、舌や喉の使い方などを少し学ぶだけで、発音はかなりよくなります。
次のような本は初心者にも分かりやすく、ちょっとのコツでそれっぽい発音になるテクニックも満載なので、読んでおいて損はありませんよ。
- 英語喉 50のメソッド
- 日本人のための英語発音完全教本
- 英語耳 発音ができるとリスニングができる
- 英語舌のつくり方 じつはネイティブはこう発音していた!
- 5つの音声変化がわかれば英語はみるみる聞き取れる
Kindleを利用すればアプリでも読めるので、ぜひスキマ時間を活用しましょう。
【英語】音読はリーディング強化には効果がないが、発音やスピーキングを鍛えるのに効果あり

今回は「音読は効果がない」という疑問について深堀りしました。
音読はリーディングの強化には効果がありませんが、発音やスピーキングを鍛える学習法としては効果ありです。
リーディングを鍛えたい場合は、音読ではなく黙読がおすすめ。声を出さないと文章に集中できるので、英語を読んで理解する力が鍛えられます。
多読をしつつ
- 英語日記
- セルフトーキング
- イメージ化トレーニング
をコツコツと継続し、英語を話す力を身につけていきましょう。