誰でもすぐにはじめられるアルバイトとして、飲食店のホールとキッチンはとくに人気です。
しかし、周りのみんながやっている仕事だとはいえ
- どんな仕事をするの?
- 自分にできるかな…
- キツイ仕事だったらイヤだなぁ
などと不安や疑問も多いのではないでしょうか?
事実、お店によってスタイルもやることもバラバラですし、働きはじめてから想像と違ったというのはよくあること。
できることならば、不安なことは事前に消しておきたいですよね。
そこで今回は料理人として10年働いてきた筆者が「飲食店のホールの仕事」について詳しく説明します。
こちらを読んでホールの仕事を具体的にイメージし、自分がホールとキッチンどちらに向いているのかをチェックしましょう。
「どうせだったら楽しく働きたい」と思っている人は必見ですよ🌟
【ホールスタッフの仕事内容】キッチンとどう違う?

ホールスタッフはお客さんと関わる「飲食店でいちばん大切な仕事」です。
「いや、料理の方が大切でしょ!」と思う人もたくさんいます。
事実、お客さんは料理やドリンクを目当てにお店に来ますし、あなたもそうですよね。
とはいえ、最終的にお店の評価が決まるのは「ホールスタッフの良し悪し」なんです。
いくら料理がおいしくても、ホールスタッフの態度が悪ければお客さんは二度と来店しません。
逆に、料理やドリンクが微妙でもホールスタッフが最高だったら、そのお店は「いいお店」としてお客さんの印象に残ります。
「飲食店にとって一番重要なポジション = ホール」ということを頭に入れておきましょう。
ホールスタッフの基本的な仕事内容
飲食店のスタイルや店ごとに異なりますが、具体的には以下のような仕事をこなします。
- お客さんを席まで案内
- お水やおしぼり、メニューを持っていく
- 注文を取る
- キッチンにオーダーを通す
- 料理やドリンクを運ぶ
- お会計
- バッシング(お皿を下げる)
- テーブルリセット
お店によっては料理やコースの説明をしたりドリンクの用意をしたり、洗い物をするのがホールスタッフの仕事内容だったりもします。
ちょっといい店になれば、ボトルワインを注いだり次の飲み物を勧めたり、料理ごとにカトラリーをセットしたり。
客単価が高いお店であればあるほど求められる能力が高くなり、やることも多く複雑になっていきます。
「お客さんが来店してから帰るまでの時間を気持ちよく過ごしてもらうために働く」
これが飲食店のホールスタッフの仕事です。
ホールよりキッチンの方が給料がいいことが多い
アルバイトのホールスタッフとキッチンスタッフの給料を見てみると、キッチンスタッフの方が100円くらい給料が高いことが多いです。
正社員の場合はお店や経験などによってバラバラですが、大差はないと思います。
海外ではチップがあるため、サービススタッフの基本給は低いですよね。
しかし、日本ではチップもサービス料も取らないのに、なぜホールスタッフの方が給料が低いのでしょうか。
理由はよく分かりませんが、一般的にホールの方が「誰でもできる仕事だと思われているから」かもしれません。
ホールスタッフの出勤・退勤時間
こちらもお店や状況によってバラバラなので、一概には言えません。
一般的にはホールスタッフよりもキッチンスタッフの方が早く出勤します。
わたしの経験ですが、昼と夜どちらも営業している店の場合
- ホール・・・朝9~11時くらいに出勤
- キッチン・・・朝6~8時くらいに出勤
という感じでした。
アルバイトの場合でも、同じようなイメージです。
そのかわり、夜はホールスタッフの方がキッチンスタッフよりも遅くまで残ります。
理屈はシンプルで、ラストオーダーが終わればキッチンの仕事は終わりだからです。
もちろん、後片付けやそうじをすれば、帰るのは早くてもラストーオーダーから1時間後くらいにはなります。
とはいえ、ホールスタッフはお客さんが帰ってからでないと閉めの作業ができませんよね。
なので、基本的にはホールスタッフの方が帰りが遅くなります。
ホールスタッフの方が休日が多いケースも
これは雇用形態やお店にもよりますが、ガチの飲食店だとこの傾向にあります。
というのも、ガチの飲食店では料理人が市場に出向いて仕入れをするので、朝4~5時に出勤することもあるからです。
チェーン店やフランチャイズ、アルバイトなどは関係ないですね。
ただ、新しい料理を試作したり業者と打ち合わせしたりなど、業界には休日を仕事で潰しているキッチンスタッフも少なくはありません。
これまたわたしの経験ですが、ホールよりもキッチンの方が離職率が高いので、必然的に休みが取れなくなるというケースも多いです。
ホールスタッフの方がキッチンスタッフよりも運動量が多い
意外かもしれませんが、キッチンよりもホールの方が断然に動きます。
お店の大きさによるものの、仕事の特徴柄どうしてもキッチンは運動不足になりがちです。
というのも、キッチンは1秒を争って仕事しているので、
- 動線の短さやスムーズさ
- ムダのない動き
を追求します。
すると、自然に動く量が少なくなるんですよね。
一方、ホールスタッフはどこにいようが、お客さんに呼ばれたら飛んでいかないといけません。
70席以上あるお店に勤めていたときは、1日に何回お店の端から端までをダッシュで往復したことか…
- 痩せたい
- 運動不足を解消したい
のであれば、あなたはホールスタッフ確定です。
ホールスタッフに求められる4つのスキル

飲食店のホールスタッフとしてスムーズに仕事をするためには
- 視野の広さ
- 細かなところに気づく能力
- 今やるべきことに優先順位をつける能力
- ある程度のコミュニケーション能力
以上4つのスキルがあるとよいです。
これらは仕事をしていれば誰にでも身につけられる能力。
しかし、これらの能力をはじめから持っていた方が「即戦力」として重宝されます。
ホールに求められるスキル1.視野の広さ
とても漠然としていますが、視野の広さとは「状況を判断する能力」ともいえます。
ひとつは「お客さんの状況を把握する」能力。
どのテーブルのお客さんが
- メニューを見ている
- ファーストドリンクを注文した
- 食事をしている最中
- 食事が終わったところ
- デザートを食べ終わったところ
など状況を把握し、次になにが起こるのかを予測しておく必要があります。
そうすることでお客さんへの対応がスムーズになり、余裕を持って仕事ができるので楽です。
次に「スタッフの状況」を把握しておく視野の広さ。
どのスタッフが今なにをしているのかを把握し、自分がなにをすべきかを予測します。
他のスタッフが全員お客さんと対応中であれば、キッチンや新規のお客さんに目を配るべきなのは自分です。
ホールに求められるスキル3.やるべきことに優先順位をつける
以上で触れたような「視野の広さ」を使い、今やるべきことに優先順位をつけます。
例えば、店の外に行列ができているとき、カトラリーの補充やお客さんとの世間話よりも重要なのは、テーブルのバッシングとリセットです。
ときには、なかなか帰らないお客さんのテーブルの上を積極的に片付けて、退店を促すということも必要になります。
お店によっては、できる範囲でキッチンスタッフの補助をすることも。
「視野の広さ」と「優先順位をつける能力」は連動しています。
視野の広さがあるからこそ正しく状況を判断でき、今すべきことが明確になるんです。
そのためには、柔軟な考え方も必要になります。
「自分の仕事はこれだけ」と思い込むのではなく、スタッフで助け合いながら今のベストを選び取っていくという考え方が必要です。
ホールに求められるスキル2.細かなところへの気付き
いわゆる「気がつく」とか「気が利く」ってことですね。
スタッフ同士の助け合いはもちろん、お客さんに対しても同じです。
- フロアが寒すぎたり暑すぎたりしないか
- 床に大きなゴミが落ちていないか
- メニューが汚れていないか
- イスの上に髪の毛や食べかすが落ちていないか
などなど、お客さんが少し不便に感じていることを察せるかどうか。
忙しいスタッフに気づいて手助けできるか。
こういうところができると必要な人材になれますし、100点に近い接客ができるようになります。
ホールに求められるスキル4.ある程度のコミュニケーション能力
飲食店のホールスタッフは接客業です。
すなわち、必要最低限のコミュニケーション能力が求められます。
- 相手の言っていることを理解する
- 伝えたいことを正しく伝えられる
- 相手の言いたいことを察する
- しぐさや表情から情報を読み取る
- 相手を不快にさせないような伝え方ができる
- 最低限の笑顔
- 相手を不快にさせないような距離感
細かくいえばキリがないので、ひとまずこのくらいにしておきましょう。
一番重視されるのは「お客さん」とのコミュニケーションです。
しかし、それ以上にスタッフ同士のコミュニケーションが「いいお店」を作ります。
とくに、営業中のキッチンスタッフとのやりとりにはちょっとしたコツが必要です。
営業中のキッチンスタッフはかなり神経をすり減らしているので
- 簡潔に
- 分かりやすく
- 短く
伝えなければいけません。
ときにはイライラをぶつけられてしまうこともありますが、慣れれば平気です。
そのうち「自分に対して怒ってるんじゃないんだな」ということが分かるので。
このようなコミュニケーション能力や情報処理能力は、社会に出たときにも役立ちます。
飲食店のホールに向いている人はどんな人?

わたしの10年の飲食経験から考えると、ホールスタッフに向いている人は2タイプいます。
- 人と接することが好きな人
- 人と接する能力に長けている人
「これって同じことじゃないの?」と思ったかもしれません。
でも、人と接することが好きなのと、人と接することがうまいのは違います。
ということで、それぞれについて詳しくみていきましょう。
1.人と接することが好きな人
人と喋ったり接したりすることが好きな人は、飲食のホールスタッフに向いています。
これにスキルは問われません。
ホールスタッフに欠かせない「人と接すること」が苦ではないので、やっている内にスキルは自然と伸びるからです。
逆を言うと
- 一人で黙々と作業するのが苦手な人
- じっとしていられない人
- 同じことを繰り返すのが苦手な人
という感じでしょうか。
人と関わること、人と関わることで得られる刺激が好きな人はホールに向いています。
2.人と接する能力に長けている人
人と接する能力に長けている人は飲食のホールスタッフに向いています。
「人と接する能力が高い = 人と関わることが好き」ではありません。
人と関わることが好きでも、人の気持ちを汲み取ったり察したり伝え方がうまかったりするとは限らないからです。
人と関わることが苦手でも、人と接する能力に長けていればホールスタッフとして十分に活躍できます。
これはわたしのパターンです。
わたしは小さい頃からずっとコミュ障だと思って生きてきたので、ホールスタッフになるという選択肢はありませんでした。
しかし、料理人としてガタがきたときに思い切ってホールスタッフに転身すると、意外にも「自分に合っている」ことが分かったんです。
【ホールスタッフに向いている素質】自己分析
「人と接する能力」とは
- その人にとってベストな判断ができるか
- 一人ひとりの個性を的確に見分けられるか
- 感情やしぐさから多くの情報を読み取る
- 状況を正しく判断できるか
- 相手ごとに情報伝達の方法を使い分けられるか
などが代表的です。
これらの能力に「人と接することが好きかどうか」は関係ありません。
事実、わたしは20年来のコミュ障でありながらもホールスタッフに向いている素質を持っていたので、楽しく働けていました。
「楽しく働く」とは、スタッフ同士の仲がいいというだけではありません。
自分の能力が発揮されて仕事がうまくまわり、仲間から必要とされる人材になることです。
ホールスタッフに向いている素質があるかを判断するには?

自分が持っている素質というものは、自分で簡単に気づけるものではありません。
簡単に気づけるのなら、適性診断や人材開発などは必要ないですよね。
そこでどうするのか。
今すぐに「自分が持っている素質」を知る方法が「ストレングス・ファインダー」です。
詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
自分が気づいていない素質を知ると生きやすくなる
わたしはストレングス・ファインダーを受けた結果
- 共感性
- 収集心
- 内省
- 個別化
- 未来志向
以上5つの素質がトップにくることが分かりました。
ホールスタッフでとくに役に立ったのは、
- 共感性:相手の気持になって考えられる能力
- 内省:深いところまで掘り下げられる思考力
- 個別化:一人ひとりの個性を見分ける能力
の3つです。
「コミュ障でいじめられ気質、人と接することなんて絶対ムリ」と思っていたわたしが飲食のホールスタッフとして活躍できた理由。
それはホールスタッフに向いている素質を持っていたからにほかなりません。
自分が持っている「素質」を意識すると、それだけで人生が生きやすくなります。
これは学生のアルバイトだけでなく社会に出ていくときに必ず役に立つので、なるべく早く知っておくのがおすすめです。
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自己診断を受けて自分にあった仕事で楽しく働こう

今回は飲食のホールスタッフに焦点を当て、キッチンスタッフとの違いを見てきました。
ホールスタッフ、キッチンスタッフ問わず、楽しく仕事をするためには「自分を知る」のが第一歩です。
やりたいという気持ちで挑むことも大切ですが、それだけでは限界が来ることも。
挫折したり壁にぶち当たったりするのをなるべく避けるなら、自己診断によって自分の素質を知り、向いている仕事を選びましょう。
あなたが少しでも自分の能力を発揮し、楽しく働けるように、応援しています!