元仏料理人のカーリーです。
「フランス語は世界一美しい言語である」と聞いたことがありませんか?お洒落なイメージしかないフランスですから、そう言いたくなる気持ちはわかります。
しかし、突き詰めるとなにが美しいのか、よく分からないですよね?
ということで、今回は【なぜフランス語は世界一美しい言語なのか】を紐解きましょう。
わたしはフランス料理を通じてフランスの歴史や文化、言語に触れたり、現地でフランス人と暮らしたりしてきたので、わりとイイ線の答えが出たと思っています。
雑学を増やすと人生が豊かになると思うので、ぜひ最後まで読み進めてみてください🌟
フランス語について詳しくなり、物知りとして一目置かれる存在になりましょう。
フランス語ってどんな言語?

フランス語は「フランス共和国」の公用語。
- シャンゼリゼ通り
- エッフェル塔
- ルーブル美術館
- ノートルダム大聖堂
- モン・サン・ミシェル
などでお馴染みの観光大国で生まれた言語です。
フランス語は世界で16番目にネイティブスピーカーが多い言語
文部科学省の統計 を見てみると、フランス語を母国語としている人は世界で16番目に多いことが分かります。
ちなみに、他のランキングは…
- 中国語(8億8,500万人)
- 英語(4億人)
- スペイン語(3億3,200万人)
- ヒンディー語(2億3,600万人)
- アラビア語(2億人)
- ポルトガル(1億7,500万人)
- ロシア語(1億7,000万人)
- ベンガル語(1億6,800万人)
- 日本語(1億2,500万人)
- ドイツ語(1億人)
- ウー語(9,100万人)
- ジャワ語(7,500万人)
- 韓国・朝鮮語(7,500万人)
- パンジャブ語(7,300万人)
- テルグ語(7,300万人)
- フランス語(7,200万人)
以上の通りです。
こちらは2005年のThe Penguin FACTFINDERという資料をもとにしているそう。少し古いですが、情報としては十分かなと…
フランス共和国以外にフランス語を公用語としているのは
- ハイチ
- モナコ
- ベルギー
- ルクセンブルク
- スイス
- ニューカレドニア
- ベナン
- コンゴ
- 中央アフリカ
- ルワンダ
といった国々です。ほかにもたくさんありますが、ここでは割愛します。
フランス語は世界で2番目に学習されている言語
「世界で最も学習されている言語ランキング」の結果は
- 英語
- フランス語
- 中国語
となっています。
英語や中国語はネイティブスピーカー数が多く、世界主要国の言葉です。
となれば、学習者が増える言語であることは、理解できます。しかし、英語や中国語に大きく離されているフランス語が、なぜここまで求められているのか。
それは、世界的に重要な機関がフランス語圏にあるからです。
世界で活躍したい人は英語の次にフランス語を学ぼう
世界で重視される言語は、英語の次にフランス語。
なので、世界で活躍したい人はフランス語を勉強しましょう。
というのも、
- 世界労働機関(ILO)
- 世界保健機関(WHO)
- 世界貿易機関(WTO)
などの世界的に重要な機関は、フランス語を公用語とするスイスのジュネーブにあるんですよね。
あの「国際連合」の事務局もなんとジュネーブに。
つまり、世界で活躍する人にとって、フランス語はとても重要な言語だといえます。
オリンピックも一部フランス語です。
英語はみんな勉強しますが、大学の第二言語で
- 西洋の言語(フランス語やドイツ語など)
- アジアの言語(韓国語や中国語など)
のどちらかで迷う人が多いと聞きました。
日本では中国語や韓国語の方が役に立つかもしれません。文法や漢字などが似ているアジア系の言語の方が習得しやすいのは確かでしょう。
しかし、世界を大きく捉えて活躍したいならば、英語の次にフランス語を学ぶべきです。
フランス語が世界一美しい言語である理由

【フランス語が世界一美しい言語である理由】は大きく分けて2つあります。
その理由は、フランス語が
- 文法よりも発音の美しさを重視する
- 多数ある母音が豊かな表情を作り出す
という特徴を持つ言語だからです。
それぞれの理由を詳しく掘り下げてみましょう💡
理由1.フランス語は文法よりも発音の美しさを重視した言語
フランス語の発音テクニックに
- リエゾン
- アンシェヌマン
- エリズィヨン
というものがあります。ややこしいので、それぞれの違いや特徴は一旦無視しましょう。
この発音テクニックは、音と音をつなげ、滑らかに発音するためのものです。
例えば、みなさんご存知の雑誌「ヴァンサンカン」。
【ヴァンサンカン】とは
- ヴァン(20)
- サンク(5)
- アン(歳)
という3つの単語から構成されています。
スペルは「vingt + cinq + ans」です。
発音すると、サンクとアンの音がくっつくのが分かると思います。
このような “ 音のくっつき ” が、フランス語の文法や文章の基本なんです。
文章ではどのように “くっつく ” のか。
例えば「彼は何歳ですか?」を意味する「Quel age a-t-il ?」という文を例にします。
発音は「ケラージュ ア ティル」という感じ。
なんと、後半のハイフンで挟まれた “ t ” には、単語としての意味がありません。“ t ” はただただ発音をよくするためだけに投入されたアルファベなんです。
発音をスムーズにするためにまったく意味をなさないアルファベを登場させる。
日本語じゃ考えられない法則です。
フランス語は文法より発音の美しさ、滑らかさを重視している。
なので、フランス語は世界一美しい言語である、というのがひとつめの理由です。
理由2.【フランス語は母音が多い】表情が豊かになって美しい
日本人のフランス語学習者にとって最も難解なのが「発音」です。
“ r ” の発音が意味不明なことはわりと知られているのですが、それ以上に「母音の数の多さ」に躓く人も多いです。
- 鼻母音
- 複合母音
などと言われるのですが、日本人にはほとんど違いが分かりません。
勘弁してよ… と思うのですが、これが
- 儚さ
- アンニュイさ
- セクシーさ
などフランス語独特の「表情」になっています。
日本人には聞き取れないほどの母音の多様さが、言葉以上の表現力をもたらしている。
なので、フランス語は世界一美しい言語である、というのが二つ目の理由です。
フランス語って難しい言語なの?

結論【日本人からしたら何語でも難しい】です。
勉強した感覚でも、日本人にとってフランス語は難しい言語だと思います。
例えば、以下のツイートによれば、アメリカ的には日本語が世界一難しい言葉であるとのこと。
パンドラの憂鬱さん 海外「日本語の文法は難解すぎる」 米国務省『世界で最も難しい言語は日本語でした』 https://t.co/Qgt6tizolR pic.twitter.com/JnVHYk8QGt
— Can you see them? (@CanUCem) 2017年12月24日
確かに
- ひらがな
- カタカナ
- ローマ字
- 数字
- 漢字
と5つの文字を使い分ける民族は、世界的にかなり珍しいのでは?
漢字には草書体や行書体など、現代人が読めない文字もありますし…
という意味では、日本人ですら日本語は難しいと思わざるを得ませんよね…
日本人なら何語であろうと難しい
ごく普通の日本人にとっては、何語であろうと難しく感じると思います。
なぜなら、日本人は
- 外国語というものの存在
- 外国語を習得するということ
に慣れていないからです。
海外に住んでみると、この理由がよく分かります。
ヨーロッパではとくに、生まれたときから身の回りに「外国語」があるのが当たり前です。
学校の友達が外国人だったり友達の両親が外国人だったり、自分の両親が外国人であることだって珍しくはありません。
小さいときから
- 外国語に触れたり
- 自然と外国語を身につけたりする
環境がそろっていることが多い西洋人の多くは、ひとりでいくつかの言葉を話します。
フランス語が母国語で、イタリア語とスペイン語を話すとか。
英語が母国語で、アラビア語とフランス語とヒンディー語を話すとか。
外国語が身近にない日本人にとっては、どんな言葉に対しても必ず抵抗感が生まれます。
その状態では何語を学習するときでも「難しい」としか感じないでしょう。
韓国語など日本語とかなり親しい言語であれば、難易度は下がります。
それでも、外国語の習得に慣れておらず、外国語に対する心のカベがある状態では、どんな言葉を学ぶにも時間がかかるでしょう。
【英語とフランス語】同時に勉強すると習得しやすい
わたしは「英語とフランス語の同時学習はイケる」と思っています。
英語はフランス語を由来にしている単語も多く、文法も似ているからです。
実際、英語のおよそ3分の2はフランス語由来だそうで
- 英 prince → 仏「prince」
- 英 chair → 仏「chair」
- 英 auberugine → 仏「auberugine」
のように綴りがそのままの単語もたくさんあります。
ちなみに、茄子を意味する「オーベルジーヌ」はイギリス英語です。
アメリカ英語では「エッグプラント」ですね。
違いはあれど、英語をマスターした人であれば、すでにフランス語の3分の2もの単語を知っていることになります。
ちょっと腹立たしいですが…
つまり、英語と一緒にフランス語の単語も覚えてしまえば早い、ということです。
フランス語を学ぶメリット【デメリットなし】

フランス語を話せるメリットは大きいと思います。
日常生活レベルではほぼメリットはないですが、話せたときの威力はハンパないです。
その理由を
- カッコいい
- フランス旅行がめっちゃ楽しい
- フランス人と秒で仲良くなれる
の3つに分けて詳しく説明していきます。
周りから一目置かれるカッコいい人になれる
単純にフランス語を話せることがカッコよく、周りから漏れなくスゴイと思われます。
話せるレベルは問いません。
一瞬でもんのすごいヒーローになれます。
みんな英語に対する憧れはあっても「ゆうても英語」なんですよね。
- 英語なんてメジャー
- 話せて当たり前(話せないけど)
- 話せる人なんていっぱいいるし
って感じなので、フランス語の方が圧倒的レアキャラです。
とはいってもそこまでマイナーではなく、みんなに認めてもらえるちょうどいいポジションの言語がフランス語、なんですよね。
なので、カッコいい人になりたいなら、英語よりもフランス語を勉強しましょう。
フランス旅行が死ぬほど楽しめる
どこの国もそうですが、現地語が分かるだけで旅行が100倍 楽しいです。
わたしはフランスで実感しました。
「フランス人は外国人に対して冷たい」と聞いたことがあると思います。
わりと本当らしいのですが、わたしはまったく経験していません。これは恐らくわたしがフランス語を話せたからかなと。
困っていればみんなが助けてくれ、色々な話をし、親切にしてくれました。
「え?噂で聞いてたのと違うんですけど?フランス人めっちゃ優しいじゃん!」って感じです。
なので、フランス旅行にいくなら、フランス語でコミュニケーションできる状態にしてから、旅立つことをおすすめします。
勉強してすぐ使える状態にできればベストですが、なかなか難しい場合には【自動翻訳機】を。
5日借りても3,000円台って、思ったよりもお手頃価格でびっくりです。
コレがあれば、思い出の卒業旅行や一生に一度のハネムーンが、特別な体験になりますよね!

フランス人とすぐに仲良くなれる
フランス語が話せると、フランス人とすぐ仲良くなれます。
この部分はフランス人と日本人が似ているなと感じる部分です。
フランス人はフランス語がマイナーな言語であることを理解しています。だから、フランス語を話す外国人を見つけると嬉しくなるんでしょうね。
わたしたちもそうじゃないですか。
日本語を話せる外国人を見るとうれしいですよね。
だから、フランス語を話せるというだけで一気に距離が近くなる。フランス人の友だちができて、フランスのことをたくさん教えてもらえて、旅行が楽しい。
フランス語を学べばいいことしかありません。
フランス語を学ぶ方法【プロに教えてもらうのがベスト】

独学でフランス語を学ぶことはできますが、せっかくならプロに教えてもらうのがベストです。
フランス語を学ぶには、以下のような方法があります。
- 本や通信教材で独学する
- ワーホリでフランスに突撃する
- プロに教えてもらう
いずれにせよ日本人は発音でつまづきますし、英語ほど学ぶ環境が整っていません。
つまり、英語に比べると、フランス語は圧倒的に独学しにくい言語です。
- 時間
- お金
- 上手さ
などをトータルで考えると、独学で少し学んで感覚を掴んだら、早い段階でプロに教えてもらうのがベストです。
本や通信教材で独学する
最も手軽でやりやすいのが独学ですね。
上達のスピードや発音は下がりがちですが、単語や文法の基礎を固めるには最適な方法です。
会話が大切なのはごもっともですが、基礎がなきゃ話せないし、ちゃんと伝わらないんですよね…
わたしたちの英語がいい例です。
大人になってグングン上達する人は、文法や語彙力などの基礎がしっかりしています。
フランス語も同じ感じです。
まずは独学で基礎を固めておき、ある程度のレベルまで達したところでプロに教えてもらうと、一気に伸びます。
基礎がわかっているから、直すべきところが分かるし、知識があるからポイントを掴みやすい。
独学しておくと、フランス語学習を効率化できるんですね。
ワーホリビザでフランスに行く
いっその事なにも持たないままフランスへ行ってしまうのも手です。
ただ、この場合は
- 多額のお金
- 強靭な精神力
- 適度な楽観性
などがないと病むので注意しましょう。
プロに相談して、たくさんの情報と実体験を集めてみるとよいです。
わたしはイギリスですが、ワーホリを体験しています。
よかったら以下の記事をどうぞ🌟
フランス語の独学におすすめの本や映画

言語を学ぶにはモチベーションを保つことも大切です。
わたしはフランスでの自分の姿をイメージするために
- 映画
- 本
の2つを使って気分を上げていました。
参考までに、わたしがおすすめするフランス語の映画と本を紹介します。
【フランス語おすすめ映画】パリ、ジュテーム
ひとつめは「パリ、ジュテーム」という映画。
フランスのパリが舞台で、20区のうちの18区でつくられた短編映画を集めた作品です。
かの有名な
- エッフェル塔
- モンマルトルの丘
- セーヌ川
なども見どころですが、俳優陣もけっこう豪華で見応えがあります。有名どころではナタリー・ポートマンとイライジャ・ウッド。
映画ファンにもおすすめできるすてきな映画です。
【フランス語おすすめ映画】アメリ
フランス映画といえば、の「アメリ」。
女性であれば、見ているだけでカワイさにうっとりしてしまいます。くすっと笑えるところや、ブラックジョークが効いているところもあるので、男性にもおすすめです。
作品だけ観たい人は、Hulu でどうぞ。
でも、この限定フォトブックがめちゃくちゃ可愛いので、ぜひアナログ盤を手に入れてほしい…!
わたしも持ってます。
フランスに興味がない女の子にプレゼントしたら、めっちゃ喜ばれました✨
フランスに興味がないからこそ自分じゃ買わないだろうし、でもアメリの可愛さは知ってるし、フランスは憧れだし… ということで女性へのプレゼントにぜひ!!
【フランス語学習におすすめな本】ケータイ「万能」フランス語文法
フランス語初心者におすすめの文法書です。
わたしはこの参考書をひたすら使い込んで、脱初心者しました👍
ちなみに、フランス語の参考書を選ぶときは「冠詞」がついているかを必ず確認してください。
冠詞とは、英語でいう a とか the です。
フランス語には「女性名詞」「男性名詞」があり、これを覚えないとはじまりません。
後から苦しい思いをするのは自分なので、フランス語の冠詞には早い内に慣れましょう。
【フランス語は世界一美しい言語】知ってるだけでカッコいい

フランス語が世界一美しい言語である理由を
- 発音
- 母音の多さ
という点から結論づけてみました。全世界の人が「フランス語は美しい」と思っているかは不明ですが…
説明した理由はなかなか的を射ているんじゃないかと思います。
英語に比べればマイナーですが、フランス語は少し知っているだけでカッコいい言語です。
わたしはフランス語を勉強してよかったですし、興味があればあなたにもぜひ学んでみてほしいなと思います。
言葉を学ぶことは、その国の歴史や人々の考え方、価値観などを学ぶことでもありますからね。
その楽しさとワクワクをあなたにも、フランス語を通して味わってもらえたらうれしいです。