元料理人のフリーライターcarlyです。
先日、ヱビスが発売するビール「華みやび」をはじめて飲みました。
さっそくブログのネタにしよ~と思った矢先…
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1carly.jpg” name=”carly”] ネットで論争の的になっているではありませんか![/speech_bubble]いやいや、そんなことないだろう…
ということで、ネットで「まずい」と話題になっている ”華みやび” の感想を書いていきます。
エビス「華みやび」 の特徴

まず気になるのが「ふつうのヱビスビールとなにが違うの?」ってところですよね。
なので、まずは特徴などから説明していきましょう。
缶の見た目からもわかりますが、華みやびはヱビス史上初の「ホワイトビール」なのです。
【ヱビス史上初の上面酵母】
日本のビールの大半が下面酵母でつくられる「ラガータイプ」の中で、新たなビールづくりの挑戦として、上面酵母を使用したホワイトビール「ヱビス 華みやび」を完成させました。
【ヱビスにふさわしい酵母を厳選】
約2年半の歳月をかけて、ヱビスと呼ぶにふさわしい酵母を選抜。1,000株以上の酵母バンクの中から、テストを繰り返し選ばれた唯一の酵母は、味の厚みを感じさせるふくよかな香りを生み出します。
【小麦麦芽配合】
小麦麦芽を一部使用することで、華やかでふくよかな香りとやわらかなコクを引き出しました。ろ過して仕上げたクリスタルな輝きが、優雅なひとときを彩ります。
上記の特徴を、以下で詳しく解説していきますね。
「上面酵母」を使ったエールタイプのビール
日本人がよく好む
- アサヒスーパードライや
- サッポロ黒ラベル
などの「のど越しが命!」的なビールはラガータイプといって、下面発酵によってつくられたビールです。
下面発酵や上面発酵といわれてもイメージしにくいですよね。
ですが、ビールが発酵によってつくられる飲み物だということは知っているかと思います。
スーパードライ・サッポロ黒ラベルなどで行われる「下面発酵」は、低い温度(5~15℃)で発酵を進めます。
発酵がすべて終わると酵母菌がタンクの下に沈殿する、というところから名前に「下面」とつくんですね。
これは「ラガー」と呼ばれるビールをつくる製法のことです。
味もさっぱり・キリッとしていて、目立つ香りはありません。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1carly.jpg” name=”carly”] 暑い夏に一気にゴクゴク飲みたいやつです。[/speech_bubble]
一方の華みやびで行われる「上面発酵」は、下面発酵より高い温度(20~25℃の常温ほど)で進める発酵方法です。
高い温度のため、酵母菌が液体の表面にプカプカと浮いてきます。
そのため名前に「上面」とつくわけです。
「下面と上面でなにが違うの?」という点ですが、この発酵過程がビールの味・香りを大きく変化させます。
上面発酵の高い温度帯で発酵が進むと、独特の香り成分がつくられるのです。
パンなどもそうですが、これくらいの温度で発酵させると酵母の働きが活発になって、香りも際立ちます。
これが上面発酵のビールが「華やか・フルーティー」と表現されるワケ。
そしてこの上面発酵でつくるビールが「エールビール」です。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1carly.jpg” name=”carly”] 柑橘類やバナナ臭と表現できるほど、個性的なビールも。 [/speech_bubble]
ひとまず、華みやびが「日本人好みの喉越しビール」とは違う方法でつくられるということは分かっていただけたでしょうか?
エールタイプである華みやびは、香り・味ともに豊かで、冬にゆっくり時間をかけて味わいたくなるようなビールなのです。
小麦麦芽配合のホワイトビール
華みやびは、ヱビス史上初のホワイトビールです。
ホワイトビールは、液体が白いことから日本では「白ビール」と呼ばれることも。
白ビール(しろビール)または小麦ビール(こむぎビール)とは、小麦を多くの割合で使用して醸造したビールである。白ビールにはまた、大麦麦芽もまた使用する。
白ビールは通常上面発酵である(ドイツでは法で定められている)。白ビールには複数のスタイルがあり、風味も異なる。
引用:Wikipediaより
日本ではベルギービールのヒューガルデン ホワイト 330ml Mが有名どころでしょうか。
最近のクラフトビール・ブームで名前を聞くようになった「ヴァイツェン」もホワイトビールの仲間ですよ。
↓ビール好きcarlyおすすめヴァイツェン↓
ビンから直接よりグラスに注いで飲むのがベストですが、3回に分けて注ぐのがポイントです。
1回目は半分くらいまで勢い良く注いで、泡が落ち着いたらグラスを傾け、泡を持ち上げるようにビール液を2回に分けて注ぎます。
最後の注ぎは、ビンを回して底にたまった酵母を液体に混ぜてあげることで、より香りと味を楽しめますので、ぜひやってみてください。
泡立ちが良いのがヴァイツェンの特徴で、このように注ぐことで香りが逃げにくくなります。
↓ヴァイツェンなら、carlyの地元・常陸野ネストビール↓
「バナナの香り」がはっきりとわかる優秀なビールです。
わたしの中では、ハレのビールでもさらに特別な存在。
ちなみに、常陸野ネストビールの代名詞「ホワイトエール」もかなりおすすめです↓
女性におすすめするなら、軽めの富士桜高原ビールですね。
ネストビールはビール好きもうなるくらいのパンチがあります。
さらにちなみに、ネストビールの「エスプレッソスタウト」は革命なので、ビール好きはぜひ体験してみてほしいです。
>>>>ネストビールに関する記事はコチラ「【世界の茨城】常陸野ネストビール14種類飲み比べ&おすすめポイント徹底解説」
ヱビス「華みやび」を飲んだ感想


上記で紹介したような「ホワイトビール」に飲みなれた人にとっては、華みやびはちょっと「???」と思うかもしれません。
華みやびにどのくらいの小麦が使われているのかは明記されていません。
ただ、上記で紹介したようなビールに比べると、見た目も味もまったく違いました。
まず一発で「白ビールだ!」とわかる特徴として、見た目の白さがあげられます。
その白濁とした「グラスの向こう側がまったく見えないほどの濁り」が、華みやびにはありません。
それは缶にも書いてあるので「濾過した」という理由もあるのでしょう。
そのため、生きた酵母が入っている富士桜高原ビールは、賞味期限がとても短いです。
濾過されていないので白濁としていて、味もどんどん変わっていくのですね。
肝心の華みやびの「味」は・・・
上記で紹介してきた白ビールと比べても、味が少し劣る感じはします。
白ビールというと「柑橘系・バナナ」といった香りに例えられますが、そういう香りをダイレクトに感じることができるのが白ビールの面白いところです。
しかし、華みやびでは「バナナがここにいる!」というほどの、鮮烈なフルーティー感さは感じられませんでした。
飲んでみて「おっ」と思ったので、スマホで調べてみると「薬品っぽい・マズイ」という評価も多いことがわかりました。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1carly.jpg” name=”carly”] 薬品・・・分かるような分からないような。[/speech_bubble]わたしは「まずい」「薬っぽい」とも思いませんでしたが、白ビールに飲みなれているからか、中途半端さを感じましたね。
まずい・うまいと言う前に、味覚の話をしよう

そもそも、まずいと評価する前に「評価した人の味覚がどうなっているか?」を気にする必要があると思います。
今回はビールの話なので、ビールを例にとります。
当然ながら人が「おいしい」と感じるものには個人差がありますよね。
中でもビールは、けっこう好みが分かれる分野でもあります。
試しに、わたしの好きな日本大手ビールのランキングを見てみてください。
- プレモル
- 琥珀ヱビス
- キリン一番搾り
いかがでしょうか。
日本人の多くが好むというアサヒスーパードライが入っていません。
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”1carly.jpg” name=”carly”] ギネスが永遠の一番ですけどね。[/speech_bubble]「料理人だからじゃないの?」という方に向けていうと、料理人の同僚にスーパードライが好きな人もたくさんいますし、逆の人にもたくさん出会いました。
「料理人はおいしいものしか食べない・飲まない」と思ってる人がいるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。
きちんとした料理人だったら、本当においしいものを知っているというのは間違っていないでしょうけれど、料理人にだって「味オンチ」はいますし、ジャンクフードやファーストフード、インスタント食品も食べます。
結局、おいしい・おいしくないは人によって感じ方が違いすぎるので、個人が決めることです。
ビールは、人によって求めるものが違いますよね。
喉越し1番の人もいれば、香りが1番大事、苦味が1番大事だという人もいます。
なので、わたしの好きなビールランキングを見て、華みやびの感想を聞いてください。
わたしの華みやびを飲んだ感想は、「まずくない」です。
味より挑戦を評価したい「華みやび」

当然ながら、味覚は人それぞれです。
味を数値化して、科学的においしい・まずいを知るのは簡単ですが、人間の感覚としての味覚って数値化できませんよね。
なので、わたしには華みやびがおいしいとしても、あなたにとってはまずくても当たり前です。
それよりも、わたしはヱビスビールの史上初のチャレンジを評価したいと思っています。
ヱビスは今までに、
- 元ある商品を高級志向にしてみたり
- 中身を少しだけ変えたり
- ラベルを変たり
という工夫を続けてきました。
ファンや新規にいかに「飲みたい!」と思わせて口説き落とすか?というのは、とてつもない努力のおかげなはず。
そのような作戦の中で、ほかの大手がやっていないようなタイプのビールで攻めてきたことが、わたしにとってはとても好印象です。
今までのヱビスビールの新商品にはパッとして飛び抜けた個性がなかったので、華みやびの登場で一枚皮がむけたかな?という感覚です。
今までのビールにも作り手のこだわりはあるのでしょうが、興味本位で飲む消費者に「ガツン!」と訴えるほどのなにかがありませんでした。
その意味でも「華みやび」は好きになれそうなビールです。
機会があればまた飲みたいですが、わたしはヱビスの琥珀が大好物です。
◇ビール好きの方にはぜひコチラの記事も→【世界の茨城】常陸野ネストビール14種類飲み比べ&おすすめポイント徹底解説

華みやびをしらベてて貴殿のページに遭遇しました、海外好き、アラフォーの常陸の國の者です。
色んなビールがなかなか知られていない日本ですので、言いたい事分かります。華みやび、コリアンダーやオレンジピールを抜いたヒューガルデンのようですが、エビスの酸味(?)が少なく美味しいのになかなか売っていません(笑)
そんな華みやびを取り上げていて嬉しくなりました。Thank you.
ちなみにピルスナー好きの私、プレモルは直ぐ買えるビールの中で一番好きです。
コメントありがとうございます!
日本のビールもそれはそれでおいしいのですが、ビールの多様性を知っていると物足りなくなってしまいます。
売れないからつくらないのでしょうけれど、もっと変化球的なビールがどこでも買えるようになったらうれしいですね。
バナナっぽいです。まずいというほどではないですが美味しくありません。私には。
私は一番搾りが好きです。
私はビールが苦手で金麦やクリアアサヒのような第三世代?のビールを好んで飲んでます。
華みやびが家にあったので飲んで見ました。エビスビールは初めて飲みましたが薬品臭いかんじがして
美味しくないと思いました。普通のエビスビールもあるんですが、私には美味しくないですかね?
主が好きなプレモルも美味しくないと思った舌です。もちろんアサヒスーパードライも苦手です。
どうでしょうか。普通のエビスビール飲むのやめた方がいいでしょうか?
コメントありがとうございます!
恐れずに言うと「ビールの味がるなさんの味覚には合わない」ということかも知れません。
プレモルやアサヒスーパードライが苦手とのことなので、エビスビールもきっとお好みではないかと思われます。
もしかしたら、スパイスをがつがつ入れたようなベルギービールなら、好みに合うかもしれませんね。(原材料の関係で日本ではビールに分類されません)
個人的には「飲むシチュエーション」も美味しさに加味されると思っています。
わたしはビールをダラダラ過ごした休日に飲むより、ヘトヘトになるまで働いた夜に飲んだ方が美味しく感じました(^_^)
返信ありがとうございます!
そうなんですね…慣れれば美味しいと言われてきて金麦系は飲めるようになったのですが…
ベルギービール機会があれば試してみたいと思います!
アドバイスありがとうございます✨
こちらこそ返信ありがとうございます!
わたしはビール好きなので、るなさんが「ビール美味しい」と思ってもらえたら嬉しいです。
試した際の感想、よければ教えてくださいね(^_^)